剣道の初稽古で明けた喜茂別の新年

 「新年おめでとうございます!」
 元日のドカ雪をこいで武道館に駆け込むと、既に大勢の剣士や家族で熱気にあふれています。皆さん、笑顔で新年のあいさつを交わしていました。喜茂別の新年は、朝早くから始まる「剣道の初稽古」で明けます。神社で元朝参りを済ませてから来た方も、多いことでしょう。

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 「小学生は集まって!」指導者の東原弘行さんが、館内にとどろく大きな声で子どもたちに声をかけます。「今年の初稽古にも両栄花先生が来られているので、みんな、積極的に稽古を付けていただくように!」「はい」「声が小さーい!」「ハァーイッ!!」館内を見回すと、確かに、栄花英幸さん、栄花直輝さんご兄弟の姿が見られます。期待して取材に駆けつけた甲斐がありました。お二人を含め、今日は10人の先生方が、20人ほどの小中学生に稽古をつけます。保育所の年長さんもがんばっています。喜茂別の子が大半ですが、札幌から来た子もいます。祖父母のもとへの里帰りでしょうか。

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 喜茂別剣道連盟会長の菊地光男会長が叩く太鼓の音に合わせて、はじめは、面打ち、次に、小手から面へ、そして、小手から胴へと、一連の流れを練習します。まだ面など防具をつけていない入ったばかりの小学1年生も、大きな声で先生の面を打ち込んでいきます。栄花さんも、子どもたち一人ひとりの打ち込みを受けては、指導しています。練習の最後は、子どもたちと先生が対等に渡り合う地稽古です。竹刀で激しく打ち合う音が、武道館に響きます。少年剣士も、先生に負けていません。1時間ほど続いたでしょうか。子どもたちの稽古が終わりました。面をはずし、汗を拭きながら道場の端に正座したまま、今度は中学生や大人の稽古を見つめます。

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 中学生や先生方の稽古は、鋭い竹刀さばきと技のぶつかり合いが炸裂します。栄花直輝さんはこの日左手だけで竹刀を操り、兄英幸さんの息子さんとの上段の稽古に応じていました。左手の竹刀が小手を決めた一瞬は、この日拝見したハイライトだったかもしれません。見つめる子どもたちの視線も、真剣な光を放っていました。

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 太鼓の連打を合図に全員が道場の中央に集まって正座し、暫し目を閉じて心を鎮め、大きな声で礼を交わし、稽古を納めました。全後志剣道連盟連絡協議会の近藤勝巳会長に続いて、栄花英幸さんと栄花直輝さんからも講評があり、お二人から共通する指摘がありました。「座っている姿勢やあいさつの仕方がきちんとしていると、剣道が美しく、強くなります。剣道の世界大会は3年に1回行われますが、各国の代表として集まる選手たちへの指導は、あいさつの仕方、面や竹刀の持ち方などから始めます。これはとても重要なことだからです。」このお話を聞き、子どもたちや先生方の姿勢と竹刀の動きに何が求められているか、その精神をほんの少しうかがい知ることが出来たような気がしました。
 菊地光男会長から子どもたち一人ひとりに恒例のお年玉が渡され、記念の集合写真となりました。この日は、撮影後も子どもたちは帰ろうとせず、お二人の栄花さんを囲んでお話を聞いたり、自分の手ぬぐい等にサインをしていただいたり、これからの稽古の励みとなる最高のお年玉をゲットしたようです。

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 武道館では、月、水、金の夜6時から2時間程度、毎週3回稽古を行っています。最近は小学生の入門者が増え、少子化傾向にあっても、これまでの伝統を引き継ぎながら新たな歴史を創造する息吹を感じさせます。さまざまな大会でも優秀な成績を収めていますので、今年もますます剣士たち一人ひとりの輝きが増すことでしょう。