2008年05月07日

先の山麓5町村合併協議を振返る

 町村合併について、町民の視点からいろいろと考えてみたい。
 そのような想いから、『広報きもべつ』の3月号で、連載記事「住民目線で町村合併を考える」第1回目を組みました。その後、町村合併については、喜茂別町においても話題になる機会が増えてきました。しかし、役場や議会における議論が盛り上がりつつある割には、町民の間で話題になることはまだまだ少ないように感じます。
 言うまでもなく、町村合併によってどんなまちづくりを進めるのか、そもそもどんな町村合併が望ましいのかなど、町民の判断が求められる重要なテーマはたくさんあります。私たち町民にとって町村合併とは何なのか、疑問や不安、期待など、私たち住民自身の言葉で思いを交わしていきたいと思います。

 このコーナーでは、『広報きもべつ』に連載された記事を再掲載するとともに、そのほかのさまざまな情報についても、随時ご紹介したいと考えています。原稿作成と編集については、町民まちづくり編集工房が担います。
 それでは、第1回目です。


【再び始まるか、町村合併論議】

 昨年の11月15日、旭川市で今後の市町村合併について考えるシンポジウムがありました。喜茂別からも2名の町議会議員が参加し、第29次地方制度調査会におけるさまざまな議論や今後の方向性について、西尾勝氏や小西砂千夫氏のお話をお聴きしてきました。その成果は、11月に町内7箇所で行われた「まちづくり懇談会」などで報告されました。
 現行合併特例法のもとで喜茂別町が他町村と合併協議を行うとすれば、今年が最後のチャンスと言われています。「町民にとって、町村合併とは何なのか。」これまでもいくたびか議論されたテーマですが、これからの合併論議に住民の視点を大きく導入するためにはどのように向き合えばよいのか。数回にわたって、考えるヒントを探っていきたいと思います。
 今回はその初回として、先に破綻となった羊蹄山麓5町村による合併協議を振り返り、その問題点を今後の合併協議に活かす視点について考えます。

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【前回公募参加のおふたりに聞く】

 平成16年12月、羊蹄山麓5町村による合併協議会から蘭越町が離脱したことにより、破綻が決まりました。そのときの複雑な思いを今も心の隅に抱いているという森下照子さんと堀浩和さんに、当時の想いや今後への期待などについてお尋ねしました。おふたりは、公募枠の合併協議会委員でした。

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 お二人から真っ先に返ってきたお話は、ほぼ同じ想いのものでした。「喜茂別が存続し発展するためには、合併しかないと思っていました。このままでは倒産するので合併で活路を開きたい、そんな気持ちだったんです。財政状況については、町民の多くが強い関心を持っていたんですよ。それに、国道230号をうまく活用することができれば、合併しても喜茂別の存在感は強く打ち出せると思っていましたね。合併は単なる守りではなくて、まちの発展の出発点だと言う想いが強かったのです。」
 また、合併協議のあり方については、おふたりから興味深いご意見が聞かれました。
 「財政的にも対等な立場で協議することが大事と思う。協議事項については主張するだけではなく、互いに譲り合う気持ちがないと合併は成立しないですよ。人間関係と同じです。」(森下さん)
 「合併協議では、相手の想いを聴けたのが良かった。自分は、共通の大きな目標のためには、相手側に全部譲ってもいいと思っていた。それでも喜茂別がなくなることはありえないという自負があったからね。そのことで一緒に発展するきっかけが見つかればいいんですよ。商売もそうですけど、地域で生きる人間同士としてそうじゃないですか。」(堀さん)

 住民が合併を考える視点は何なのか。現状への厳しい危機感と、町村の枠を超えた遠くを見据える未来への信頼感が、おふたりから感じられました。この二つの住民視点を元に、次回から合併を巡るさまざまな動きを追います。

※『広報きもべつ』3月号から再掲しました。

2008年05月08日

まちの枠にこだわらずに、何ができるか考えたい

 喜茂別でも、地区によって町村合併に対する不安や期待は異なるのだろうか。そんな疑問の答を求めて、中里地区の牧場タカラ斉藤信一さんを訪ねました。町内外にネットワークをつくり、幅広く活動している方です。子牛が生まれたばかりの忙しい合間を縫って、お話をお聞きしました。

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 「医療や子育てなど、まちによって暮らしが支えられている部分がありますよね。それは、なければ自力で何とかするけど、あればとてもありがたいものです。自力で何とかできる若い世代よりも、お年寄りにとっては特に重要なことだと思います。」

-だから、やはり合併が必要?
 「ちょっと話が脱線するかもしれないけど、夕張と喜茂別を重ねて考えると、少し実感がわくと思う。もっと危機感を持つべきだよね。」

-多くの町民は町の財政に危機感を持っているし、行政サービスがこのままでは立ち行かなくなるから合併が必要、と考えていますよね。 
 「夕張と重ねて何を学ぶかということだけど、自分の暮らしやまちをどう変えるか、という関心が必要だと思う。自分の町とよその町を繋いで解決策を考えてみる発想。喜茂別の中だけで考えても、合併がどんな風に必要なのか見えないような気がします。後志エリア全体に貢献できる領域、たとえば水とか農業とか。そんなところで繋がりあえるかどうか。」

-たとえば斉藤さんなら、酪農家同士のネットワークのなかで? 
 「そうです。合併は自分たちとは違うところで動くだろうけど、まちの枠にこだわらない自分なりのつながりの中で、自分たちもきちんと発言していきたいですね。」

 地区を越えた繋がりの中で仕事や関心事の夢を紡ぎ、その先に合併がどのように見えてくるか。地域分散型の喜茂別らしい発想に、説得力を感じました。

※『広報きもべつ』4月号から再掲しました。

2008年05月09日

「特例町村」って、何?

 2月から3月にかけて、町村合併に関するセミナーが、ニセコ町と真狩村で相次いで開催されました。そのどちらの会場でも、あるテーマが話題になりました。

 2月25日、ニセコ町でまちづくり町民講座が開催され、市町村合併の専門家として著名な小西砂千夫さん(関西学院大学教授)の講演とシンポジウムが行われました。『小さなまちの将来像を考える』という観点から、私たち喜茂別町民にとっても聞き逃すことのできない、重要なテーマが話されました。
 “今、合併問題を考えるにあたって一番大事なこととして、「特例町村制度」の検討が始まっていることがあげられます。” 慎重な語り口ながら、小西先生の話はとても明快です。現在の合併特例法の期限が切れた後に、「特例町村」という仕組みが規模の小さな自治体に適用されるだろう、というのです。「特例町村」というのは、現在の市町村のようにあらゆる行政分野を行うのではなく、小さな財政規模と少ない職員数に見合った限定された行政分野だけを行う、という仕組みです。小さな自治体のままであれば「特例町村」に該当する可能性は残ります。
 小西先生は、「特例町村」の狙いは自治権を無くすことではなく、小さな地域にとって最小限必要な、身の丈にあった身軽な自治を残すことだと言います。しかし、どうもすっきりしません。「身の丈に見合った身軽な自治の姿」というのは、一体誰が決めるのでしょう。そして、私たち喜茂別町民にとって、合併後のまちづくりと自治のイメージとはどんなものなのでしょうか。

 ※この日の小西さんのお話の内容と、町民講座での意見のやり取りについては、『広報ニセコ』4月号に詳細が掲載されています。

http://www.town.niseko.hokkaido.jp/koho/h19/08-04/2008_04_007.pdf

http://www.town.niseko.hokkaido.jp/koho/h19/08-04/2008_04_008.pdf