先の山麓5町村合併協議を振返る

 町村合併について、町民の視点からいろいろと考えてみたい。
 そのような想いから、『広報きもべつ』の3月号で、連載記事「住民目線で町村合併を考える」第1回目を組みました。その後、町村合併については、喜茂別町においても話題になる機会が増えてきました。しかし、役場や議会における議論が盛り上がりつつある割には、町民の間で話題になることはまだまだ少ないように感じます。
 言うまでもなく、町村合併によってどんなまちづくりを進めるのか、そもそもどんな町村合併が望ましいのかなど、町民の判断が求められる重要なテーマはたくさんあります。私たち町民にとって町村合併とは何なのか、疑問や不安、期待など、私たち住民自身の言葉で思いを交わしていきたいと思います。

 このコーナーでは、『広報きもべつ』に連載された記事を再掲載するとともに、そのほかのさまざまな情報についても、随時ご紹介したいと考えています。原稿作成と編集については、町民まちづくり編集工房が担います。
 それでは、第1回目です。


【再び始まるか、町村合併論議】

 昨年の11月15日、旭川市で今後の市町村合併について考えるシンポジウムがありました。喜茂別からも2名の町議会議員が参加し、第29次地方制度調査会におけるさまざまな議論や今後の方向性について、西尾勝氏や小西砂千夫氏のお話をお聴きしてきました。その成果は、11月に町内7箇所で行われた「まちづくり懇談会」などで報告されました。
 現行合併特例法のもとで喜茂別町が他町村と合併協議を行うとすれば、今年が最後のチャンスと言われています。「町民にとって、町村合併とは何なのか。」これまでもいくたびか議論されたテーマですが、これからの合併論議に住民の視点を大きく導入するためにはどのように向き合えばよいのか。数回にわたって、考えるヒントを探っていきたいと思います。
 今回はその初回として、先に破綻となった羊蹄山麓5町村による合併協議を振り返り、その問題点を今後の合併協議に活かす視点について考えます。

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【前回公募参加のおふたりに聞く】

 平成16年12月、羊蹄山麓5町村による合併協議会から蘭越町が離脱したことにより、破綻が決まりました。そのときの複雑な思いを今も心の隅に抱いているという森下照子さんと堀浩和さんに、当時の想いや今後への期待などについてお尋ねしました。おふたりは、公募枠の合併協議会委員でした。

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 お二人から真っ先に返ってきたお話は、ほぼ同じ想いのものでした。「喜茂別が存続し発展するためには、合併しかないと思っていました。このままでは倒産するので合併で活路を開きたい、そんな気持ちだったんです。財政状況については、町民の多くが強い関心を持っていたんですよ。それに、国道230号をうまく活用することができれば、合併しても喜茂別の存在感は強く打ち出せると思っていましたね。合併は単なる守りではなくて、まちの発展の出発点だと言う想いが強かったのです。」
 また、合併協議のあり方については、おふたりから興味深いご意見が聞かれました。
 「財政的にも対等な立場で協議することが大事と思う。協議事項については主張するだけではなく、互いに譲り合う気持ちがないと合併は成立しないですよ。人間関係と同じです。」(森下さん)
 「合併協議では、相手の想いを聴けたのが良かった。自分は、共通の大きな目標のためには、相手側に全部譲ってもいいと思っていた。それでも喜茂別がなくなることはありえないという自負があったからね。そのことで一緒に発展するきっかけが見つかればいいんですよ。商売もそうですけど、地域で生きる人間同士としてそうじゃないですか。」(堀さん)

 住民が合併を考える視点は何なのか。現状への厳しい危機感と、町村の枠を超えた遠くを見据える未来への信頼感が、おふたりから感じられました。この二つの住民視点を元に、次回から合併を巡るさまざまな動きを追います。

※『広報きもべつ』3月号から再掲しました。

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