松永和之さんの「マラウィ通信」12:交通手段

私の任地は小さな田舎町なので、国際郵便を出すときや、何かちょっとしたものを買いたいときには、
近くの比較的大きな街まで行く必要があります。
銀行もこの街に行かなければ用事が足せません。

その時、どうやってその街まで行くか。

マトーラを使います。
または、ミニバス。


マトーラ。

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トラックのことをここではマトーラと言います。
この荷台に乗って、皆、移動します。
マトーラはこの付近の人たちの日常の足。
もちろん無料ということではなくて、料金を取ります。
この荷台に20人以上が乗ります。
まず荷台のへりに座り、そして座る場所が無くなると真ん中に立って乗ります。
これでもか、と言うくらいに乗せるので、落ちないようにするだけで必死。
さらに大きな荷物も載せるので、荷台の上はすごいことになります。
マラウイ人たちは平気な顔して乗ってますが、私も慣れるまで最初の内は緊張しましたねぇ。

明らかに過積載ですし、タイヤも磨り減ってツルツル。
たまにパンクしたり、エンジンが止まったり。
何度か、道の途中で止まり、違うマトーラに乗り換えた、というようなことがありました。
そんな状態なのに峠でスピード出して走ったりするので、事故も頻繁におきています。
ほとんどの車はスピードメーターが壊れてるので、速度0kmで走行。
たまに、壊れていない車の速度計を見るとだいたい80kmくらい。
それ以上になると、目を開けて前方を見ているということが辛くなるのです。
私の任地の道は幸いにも舗装されているのですが、
未舗装の場所では何時間も土ぼこりの中を乗り続けることになるのです。。。


ミニバス。

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写真は乗り場で客待ちをしているミニバスの列です。

バスと言っても、本当のバスではなく、商用の1ボックスカー。。
中古車ですので、車体には日本語で「○○建築会社」とか、「△△病院」とか。
日本で使われていた面影をのこしたままの車がアフリカの大地を走っているのを、
複雑な気持ちで眺めていた頃が約1年前のころです。
もう、最近ではめったに驚きませんが。

普通は、この車に運転手・助手を含め約20名。
でもひどい時には、この車の中で立ち乗りして25人以上のときもありました。
この車の状態も決していいものばかりではなく、
と言うより、ひどい状態の方が多いです。
総走行距離30万kmを超えるものの珍しくありません。
走っている途中にスライド扉が外れて落ちたり、とか。

そして、乗客がいっぱいになるまで発車はしません。
この待ち時間が大変なのです。
これは先のマトーラも同じ。
始発以外の場所で乗るお客さんは、道の途中でバス待ち、マトーラ待ちをします。
バス停のようなものも、あるにはありますが多くの乗客は道端で立っています。
日本でタクシーを道の途中でつかまえるような感じです。


そのほかの移動手段は、自転車タクシー

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ミニバスやマトーラさえ通らない場所では、この自転車タクシーも重要な移動手段のうちの一つ。
隊員の中には、これを利用して1時間以上かけてやっと家に着く、
という場所に住んでいる人もいます。
街の中の近距離移動や、大きな荷物の運搬にも利用されたりします。

都市間の長距離移動には大型のバスという選択手段も。
これらも決して全部が全部、時間通りに発車すると言うわけではありません。
定員が多いだけに、待ち時間はミニバスの比ではなく、1時間、2時間、3時間以上バスの中で待ったこともあります。

この国には、時速20kmで走る電車が1路線あります。
週に数本の運行だけ。
私も今までに実際に走っているのを見たのは、1年間でたったの1度だけ。
以前はもっと路線もありしっかりと運行されていたようですが、諸事情により今は1路線だけになってしまったようです。
ですが、少しずつ線路なども再び整備されてきている様子。
鉄道が整備されれば、もっともっと人も物も動き、経済の発展に寄与することは明らかですので、ますますの路線の整備・拡充が待たれるところです。


この国での移動は大変です。
道路の未整備やバスの乗客待ちの時間の長さも相まって、想像以上に時間がかかります。
マラウイ人は待つことに慣れっこになってしまっているような気がします。
この、慣れ、が時間にルーズな社会を生み出し発展を妨げているひとつの要因になっていると思うのは、決して私だけではないはずです。
ですが、翻って日本を見てみれば、1秒の時間に追われた毎日を生きているわたし達。
どちらがいいのか。
マラウイ人はもっと時間に正確に。
そして、日本人はもっと時間に追われすぎない余裕のある生活をおくるべきだと。
そんな風に、今、私は感じています。