松永和之さんの「マラウィ通信」8:訪問

先日、卒業した生徒の実家を訪問してきました。
首都からバスで約5時間のところにある大きな町を経由して、彼の住む村へ。
この大きな町からはマトーラ(乗り合いのトラック)の荷台に乗り、
山道を2時間。
もちろん舗装なんてされていません。
そしてそのマトーラを降り、自転車と徒歩で1時間かかって
村に到着。

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この写真の地平線の向こう側から歩いてやってきました。

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生徒の苗字はカマンガとい言うのですが、
この村、ほとんどの人がカマンガさん。
実に、カマンガ村なのです。
およそ400人の住むこの村。
案内されて気付いたのは、成人男性の少ないこと。
理由を尋ねてみると、みな、南アフリカに出稼ぎに行っているとのこと。
村の広大な面積の田畑は、すべて女性や子供たちの手で耕されていました。
日本では、冬の間だけ出稼ぎに行ったりもしますが、
ここではほぼ全ての成人男性がほぼ1年間、村を留守にします。

この国にエイズの感染者が多いのは、
こうした出稼ぎ労働者が他国で感染し、HIVを自分の村にもって帰って
広げてしまう、ということも原因のひとつと考えられています。


生徒の家に泊めていただくことになりました。
食事は男性と女性は別々の部屋でとります。
夕食は主食に、シマ、ごはん。
おかずには、
茹でたまご、肉の焼いたもの1切れ、豆、菜っ葉のトマト炒め。
はっきり言って、特別なごちそうです。
シマは一番上等な、高価な粉を使って作ってくれました。
普段はもっと安い粉で作ったもののはずです。
ご飯も、いつもはめったに口にしないそうです。
多分私のためだけに炊いてくれたのでしょう。
お米は、一番安いシマ粉の2倍の値段がします。
卵もおそらくたまに食べる程度。
肉はめったに食べることがないはず。

もてなされている、気を遣ってもらっていることが
痛いほど胸に入り、心が熱くなりました。
この日のゆで卵の美味しかったこと。
この卵はホロホロ鳥の卵でした。
あの味はずっと舌の記憶として残っていることでしょう。

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この鳥がホロホロ鳥。
森で卵を拾ってきて、その卵を鶏に抱かせ孵させるそうです。

そして夕飯後。
村にもう一人お客さんが来ていたらしく、ビデオ上映会でした。
この村、水道はおろか電気もないのに。。。
わざわざ、私たちのために発電機を回しテレビとDVDプレイヤーを。

この頃、マラウイ全土で非常事態並みにガソリン類の燃料が不足していました。
発電機の燃料を手に入れるのにもかなり苦労したはずです。
もしかしたら、特別なルートで高額なもののを買ってきてくれたのかもしれません。
そういったことを考えると、
また、胸に熱いものが込み上げてくるのでした。
彼に聞いても、多分本当のことは言わないでしょう。

この国で学ぶことは山のようにあるはずです。
その中で、特にひとつ挙げろといわれれば、
今の私ならば、ホスピタリティー、もてなしの心、と答えます。

そのときのすべてを差し出してもてなす心。
私は今、茶の精神にもつうじるこの心を、マラウイで感じています。