松永和之さんの「マラウィ通信」15:家
Q.
一般のマラウイの人たちはどんな所に住んでいるの?
A.
レンガでできた平屋が主流です。
床は土。
一部の家では、固めた土の上を緑の草でぴかぴかになるまで磨くとも聞きました。
一度見てみたいと思っています。
キッチンは外にあります。
トイレもお風呂も基本的に屋外。
トイレやお風呂は数件で共同で使用したりもします。
そして、家自体に窓が少ないためたいていの家の内部は薄暗い。
建設段階では窓があっても、結局窓を埋めてしまったりすることも。
一日のほとんどの時間を家の外で過ごす彼らには、家の中での時間をそれほど重要視していないのか。
電気が来ていない家がほとんどだし、家自体が小さいせいもあるでしょう。
実際、家の役割を聞いても、雨を避けるのと寝るため、そして荷物をしまう場所。
その程度の認識です。
もし電気があれば家の中でテレビを見ると。
これは僕の仕事とも関係してきます。
家の中がどうでもよいということは、やはり家具などにも特に興味はなく、
あったとしても、たまに使うような物にそれほどこだわるわけがありません。
需要側が質の高いものを求めないということは、
供給側もそれなりの質の悪いものしか提供しなくなる。
それは、結局この国の家具をつくる技術を停滞させることにつながってきます。
この国に日本の高い水準の家具の技術が必要なのか、
ここに来た当初から未だに抱き続けているジレンマです。
食事は外。
みんなで輪になって地面に敷いたゴザの上でシマを食べます。

トイレは床に長方形の小さな穴が空いてるだけです。
家はレンガでできていると言いましたが、
昔は竹や木で枠を組み、そこに泥を塗りつけて壁を作っていました。
円型の家で、泥を塗りつけたあと、中で火を焚いて泥(壁)を焼き、強度を高め、
ライオンなどの野生動物からの襲撃に耐えられるようにしたとのことです。
今はほとんどがレンガで出来た四角い家です。
土をこね、型にはめ、天日干し。
この後、積み上げ、下で火を燃やし焼成煉瓦に。
経済的に余裕のない家では、焼く前の、日干しレンガのまま家を建てます。
こっちの方が安いので。
レンガとレンガの間はモルタル(セメント)で積んで行くわけですが、
ここも、日干しレンガを使うような家では、泥が替わりになります。
日干しレンガの家はやはり、耐久性の点では劣るので、
年月が経つごとにレンガの角が少しずつ崩れ、家の印象が少しずつ丸くなっていきます。
レンガが積みあがると、一部の家では外側全面をモルタルで保護を兼ねた化粧をします。
外側からはレンガの姿が見えなくなります。
つるっとした平らな壁が見えるだけです。
そこに、簡単な模様を描くこともあります。

これらの絵が素朴で何ともいえず心を惹きつける。
屋根は藁ぶき。
これは昔も今も変わらないようです。
乾季は隙間だらけの屋根も、雨季が近付くと一斉に屋根の手入れを始めます。
トタン屋根の家も一部あるにはありますが、非常に高価。
しかも、内側に天井がないと、太陽の熱を直接家の中に取り込んでしまうため、とても暑い。
私の任地のような、暑い場所では藁ぶき屋根の方が夏は涼しいです。
マラウイに来た当初から感じていることの一つに、
人と人との距離が近い、というものがあります。
例えば、握手。
男性同士でも、握手をした後、そのまま手をつないで歩いていたり。
手をつながずとも、指だけ握っていたり。
これらの距離感の近さは、
一日のほとんどを屋外で過ごすことが近所との近さにそのままつながり、
ひいては人と人との近さにつながっているのではないか。
家の存在のありかたそのものが他人との距離を決めている。
他人との距離が近いということは、それが、たやすくお互いを支えあうことのできる生活環境にあるということ。
他人との距離が遠い日本。
今は薄れてしまった助け合いの精神は、この国から見習うべき重要なものの一つなんじゃないでしょうか。
ですが、私が来た当初に比べ、柵、垣根を建てる家が増えてきています。
これが何を意味するのか。
これからのマラウイがどう変わっていくのか。
ここにも一つの鍵がありそうです。
admin 日時: 2011年01月27日 10:55
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